人は何かのきっかけでふと我に返り 別人のように変われる事があったりします。。。
一人のテニス少年がいました。
本当にテニスが大好きで毎日毎日、心底楽しそうにボールを打っていました。
打ち解けた仲間とコートで過ごす時間が何よりも好きでした。
たまに、相手がいない時などひたすら壁にボールを打ち続け
新しく開けたボールを夕方にはパンクさせる事もあったぐらいです。
ところが・・・、
ひたむきに真摯にボールを打ち続ける彼が
試合になると、いつも周囲が驚くほど豹変しました。
相手に敵意を剥き出しにし、 時に相手のジャッジに文句を言い、
自分のプレーに不満が出てくると抑えきれずにネットを叩いたり大声を上げたり…。
勝った時は明るく笑顔満面。 負けたときは周囲を不愉快にさせるほど機嫌が悪い。
そんな彼がほんの5秒ほどの出来事で・・・。
テニス少年は 或る日、試合でとても不甲斐無いプレーをしました。
いつものように自分のプレーに腹を立て、 いつものように不機嫌に振る舞い、
そして、 負けが決まると少年はネットに思い切りラケットを投げつけました。
いや、投げつけたつもりでした。
カッとしていたため、勢い余ってラケットはネットを飛び越え
相手の少年をかすめて飛んで行ったのです。
沢山の観客や父兄が息を呑みました。
空気が凍りつきました。
その静寂の中を相手の少年はゆっくりとラケットを拾い ネットに歩み寄り、
そして---、
グリップ側をテニス少年に差し出して 「有難うございました」と頭を下げ、握手を求めてきました。
テニス少年の中で何かが音を立てて粉々になりました。
そしてベンチに崩れるように座り 当分の間立てず、 真下にうつむいた顔から
光るものがいくつもいくつも落ち コートを濡らしました。
それ以来、彼がコートで 不遜な態度を見せることは一度もありませんでした。
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そのテニス少年は 私です。
その時の情景は今もありありと思い出すことが出来ます。
相手の少年は今となっては居場所もわかりませんが 大変感謝しています。
あの5秒が少年時代の私を変えてくれました。
恥ずかしいこと。 相手を思いやること。 感謝すること。
ひとりではなんにも出来ないんだってこと。
こんなに沢山のこと。。。
わずか、5秒で。。。
ラベル: 日記